『お父さん、眠れてる?』のキャッチコピーの睡眠キャンペーン。
みなさん御存知ですか?
国の取り組みのひとつで、内容は以下のようなもの。
「疲れているのに、眠ることができない。そんな症状が2週間続いていたら、それはうつ病のサインかも。うつ病は自殺とも関係があるため、そんな症状が出たら、早めに医師の診察を受けましょう」
日本の自殺者は、年間約3万人。
特に多いのは中高年の働き盛りの世代で、さまざまなストレスからうつ病を引き起こしやすいとされています。
そのため、うつ病の早期発見・早期治療は重要な取り組みとなってきます。
そのため、うつ病の早期発見・早期治療は重要な取り組みとなってきます。
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今回は、そのキャンペーンにひとつの疑問をなげかけてみたいと思います。
「眠れない」「疲れがとれない」=うつ病??
これらの症状があれば、うつ病かもしれません。
かかりつけ医に相談すれば、抗うつ薬など処方されたり、精神科・心療内科などに紹介されるかも。
しかし、本当にそれでいいのか?
うつ病と間違われやすい病気の存在。
うつ病は、「眠れない」「疲れがとれない」などの症状を訴えます。
しかし、それに似た症状の病気があります。
睡眠時無呼吸症候群(すいみんじむこきゅうしょうこうぐん)です。
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に息が止まる病気です。
息が止まり、苦しいため脳が目覚める。睡眠中にそれを繰り返すことで睡眠が十分とれず、「眠れない」という不眠症状を訴えたり、「疲れがとれない」という倦怠感を訴えます。
うつ病の症状と同じだと思いませんか?
うつ病と診断されて治療をしていたが、うつ病が治らないばかりか悪化する例があるようです。
その方に睡眠検査を行うと睡眠時無呼吸症候群が発見されることがあります。
無呼吸の治療をするとうつ症状がなくなり、元気になるということが多くあるそうです。
また、うつ病の薬は睡眠時無呼吸を悪化させることもあります。
何が言いたいかというと・・・
本来、睡眠時無呼吸症候群であるのに、うつ病と間違われているという現実あるということ。
このことを知っていることが重要です。
患者や家族が知識をつけ、そのうえで医療機関に受診することが大切です。
さらに重要なこと・・・
「眠れない」「疲れがとれない」という症状が出て、医療機関に受診する前に、必ずベッドパートナーに聞いてください。
「私はイビキをかいていませんか?」と。
イビキをかいているのであれば、睡眠時無呼吸症候群の可能性も高くなります。
医師にイビキをかいていることを伝えれば、睡眠時無呼吸症候群の可能性を探ってもらえるかもしれません。
それだけで正しい診断、治療につながります。
今回は、うつ病と睡眠時無呼吸症候群の微妙な関係についてご紹介しました。
これからの時代は患者自身が賢くなって、うまく医療機関を利用しなければなりません。
そのために必要な情報を、今後も発信していきたいと思います。